彼とのつきあいのはじめは、友達のはずだった。
遠距離でもあり、私が結婚しているので、好きになった今でも、おいそれと会うわけにはいかない。
彼は、前より会いたがってくれるけど、私は前より不安になった。
彼をとても好きだけど、私のものになって、とはいえない。
だから、来月の私の誕生日に、少しわがままを言って、彼の分身をおねだりすることにした。
彼のブログである。
彼はこころよくバックアップをとってくれて、製本してくれることも約束してくれた。そして、毎年、一冊製本して贈ってくれることも。
こんなにうれしいことはなかった。
私が年をとって、一人になったら、『ああ、私にも、こんなすてきな人との繋がりがあったんだ』と読んで思い出すだろう。
きっと私の宝物になるに違いない。
彼は、来世かならず一番に私を見つけて、彼女にしてくれると言ってくれた。
もっとすてきな女性になって、来世彼に見つけてほしいと思う。
もう、生まれ変わりたくないと、思っていた。
この世に生まれたくないと。
でも、今はそんな、ちいさな願いをもって、今世を一生懸命生き、来世生まれ変わって、彼にまた会いたいと思った。