「人生はままならんさ」
昔、何かの映画の中で聞いたセリフだ。
その時は、「人生はなんとかするもの」だと思ってた。
今ならその意味が少しわかる。
でも、なんとかしたくて、あがいていたい、そんな気持ちもまだ残っている。
最初はメールのやりとり、その後、電話での会話が二人を急速に親しくさせた。
一方的に自分が彼を好きなだけだと思っていた。だから、続かないものだと思っていたけど、意外なくらい彼と気が合ったというのか、彼に同調できた。
彼はとても紳士的で、芯から優しい人だった。
私はメールで告白して、彼に「抱いてほしい」と告げた。
彼は、前代未聞というべきか、メールで実況しながら、初めて私を抱いてくれた。
そのことは、いつか、『しほの日記』に書こうと思っている。
そのうち、電話で囁き合いながら、抱き合うようになっていた。
もちろん、彼の体はそばにはない。でも、心がいつも私を抱いてくれていた。
シャイな彼は、セックスという言葉より、「抱っこしたい」と表現したりして、「本当は、本当にキスしてぎゅーしたい」と言ってくれた。
私は、胸がきゅーっと痛みながらも、自分も同じ気持ちになってしまっていた。
彼に、本当に抱かれたい。。
・・もし、私が人生の選択を間違わなければ、こんなことにならなかったのだろうか?
もし、夫がもう少し違う態度をとる人だったら。
もう少し気持ちが満たされていたのなら。
私は、もっと家庭から心を離さずにすんだのだろうか?
救いは、子育てに打ち込み、子供たちが良い子に育ってくれたこと。
子育てといっても、「子供たちと遊ぶこと」に命をかけただけなのだが。
彼を想えば、涙がでてくる。
胸は切なく硬く、先端が尖って、優しく揉みほぐしてくれる指を求める。
自然に手がそこに伸びて、私は小さく声をあげる。
胸から下に、下に指を這わせて、たどり着けば、もうしっとりと濡れている。
襞の奥の奥に隠れた感帯を刺激して、あたかも彼がしてくれているかのように感じて、嬉しく恥ずかしく目を閉じ、彼の名前を何度も、かすれた声で呼ぶ。
今年の冬はことさら寒く、まだまだ最低気温がマイナス7,8℃の日が続く。
体感温度は寒くても、彼と電話で繋がっていれば、気持ちは温かかった。
ここには書けないけれど、彼と一つ約束をした。
約束は果たすつもりではいるけど。。
私は、どうしたいんだろう?
これから、どうしたらいいんだろう?
相談できる人は今のところいない。彼と一緒に考えるだけだ。
人生は、まだ続いていくはずだから。。