ーけんさん。。
うん?
ーつきあげて?
え?
ーもう一回言うの?
うん。
ー・・突き上げて・・。下から・・お願い。。
しほ・・おいで?
私はいつだったかの素敵な時間をうっとり思い出してる。
いや、こんな夢見てる場合じゃない。
今日、私は、会社の友達を一人泣かせてしまったのだ。
一昨日の朝、いつものように新聞配達をしていた。
午前3時。気温22~23℃。
ちょっと薄手のブラウスに短パンを履いてバイクに乗れば、風がとても気持ちいい時間帯である。
最近、新聞配達をしながら、眠気を感じることが多くなってきていた。
同僚に話すと、やはり皆、季節柄気持ちよくて、多少の眠気は感じることがある、とは言っていた。
私は特に配達を終えて家に帰る時、気が緩んで、ふと気が付くと塀がすぐ目の前に迫っていて、あわててハンドルを切ったり、縁石にぶつかりそうになり、急によけたりすることがあった。
一昨日も、配達中眠くて眠くて、一生懸命誤配のないように配ったあと、意識が遠くなった。それでも、なんとか家にはたどり着くだろうと、考えていたのが甘かった。
気づくと、反対車線に出ていた。幸い、車の通りはなかった。はっとして軌道修正する。ここで、立ち止まって、少し仮眠をとればよかったのだが、起きたつもりでまた走行。
次の瞬間、バーンと中央分離帯にぶつかって、バイクから転げ落ちた。うわ、やっちゃった、と思いエンジンの切れたバイクを立て直す。ハンドルが曲がっている。エンジンをかけると、幸いかかったので、すっかり痛さと衝撃で目の覚めた私は、家路へ急いだ。
ケガは、右腕に擦り傷と、少し打撲したくらいで、なんともなかった。神様ありがとう。その代わり、私をかばってくれたかのように曲がってしまったバイクが、2日間修理で入院した。
そして、今日になってその擦り傷を発見した昼の仕事仲間が、転倒した話を聞いて、とても心配してくれた。
「もう、命をなくす前に、仕事どちらか辞めな。」
「仕事2つなんて、無理なんだよ」
「子ども二人いるんでしょ」と。言いながら、その人は泣き顔になっていった。
そうなのだ。車で通勤途中でも、私は居眠りが出て、追突事故を起こしている。そのことも知っていての言葉である。
発達障害があると、どうも睡眠障害が多少なりともあるような気がする。私も、居眠りしたくなると、なかなかそれをコントロールできない。普段から睡眠をたくさんとるしか、方法はないのかもしれない。
それにしても、その友人の泣き顔を見て、さすがに心が動いていた。こんなに私のためを思ってくれて、ありがたいと心から思った。
なんとかしないといけないと思った。
発達障害グレーゾーンの私は、そんなに適職があるわけではない。体力も知力もマルチに動けるフットワークも乏しい。ひとつ抜きん出た才能というものもない。
もちろん家事もしなくてはならない。生きるのは大変だ。
どうにかせんといかん。。しかし解決の糸口はなかなか見つかりそうにない。