まず、脳が違うのだから、最初は人の心がわからなくて当たり前。
でも、療育の先生は、「ママ主義」というやり方を時に使うことを教えてくれた。
母親である私の気持ちを伝えるのだ。
「君がこうしたことは、ママにとっては悲しい」
「〇〇してくれて、うれしかったよ、ありがとう」
「〇〇できたね、かっこいいね」
「そういうことを言うと、とても傷つく」など。
簡単な事例から始めて行って、成長とともに高度な空気を読むことも、学習してできるようになる。
それは小さいうちから空気のように常に行っていると、大人になって悩むことも少なくなる。
いや、悩むことさえしない、自分の考えは間違っていない、そんな頑固な性格が形成されることもない。
人の言葉に耳を傾けようとし、行間も読めるようになる。
甘やかしすぎ、放っておきすぎ、そんな風にして育った人の悲惨な状況を、本人ももちろん、周りもわかってはいない。
わかっていても、どうしようもなく、もう本人が聞き入れられなくなっている場合もあるし、親御さんが頑なに聞き入れないこともある。
そんなたくさんの事例を見るにつけ、悲しい気持ちになる。