雨 ときどき晴れ☀

~鬱と発達障害とつきあう日々~

この歳で、初めて、しちゃいました! ③

 

 こちらの記事の続きです。

 

rtaroyma.hatenablog.com

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 広い公園の駐車場です。

 もう、Oさんは着いているはずです。携帯に電話をかけてみると、Oさんの車の場所が分かったので、そちらに歩いていきました。

 Oさんの顔が、黒い車の窓越しに見えて、手招きされたので、ドアを開けて入りました。

「すみません、お疲れのところ、来ていただいて・・」そういうと、Oさんはニコニコ笑っています。ほっとして、私もニコニコしてしまいました。

「すみません、何か買ってこようと思ったんですけど、急いでたので」

「あ、いいよいいよ」

「お疲れさまの乾杯しようと思ったんですけど、じゃエア乾杯で」

「ははは」

「カンパイ」

「・・・」

「・・・」

「あの、電話番号ありがとうございました。てっきり断られると思ったんですけど・・」

「あー。男の人に電話番号聞くの初めてなの?」

「はい」

「それと・・今日は説教されるんじゃないかと思って来ました」

「なんで?」

「うーん、家庭があるのに、こんなことしてダメだよって」

「なに?叱られたいの?笑」

「うーん、どちらでも。叱られたらしゅんとして帰ります」

「ははは」

「いいんですか?お友達みたいな感じで、メールとかさせていただいても?」

Oさんは笑ってうなずきました。

「で、映画はダメなんですよね?」

「うーん、ばれるでしょ」

「お友達で、やましいことがなかったら、良くないですか? ばれたくなかったら、席を遠くに離せばいいし・・」

「うーん、でもそれじゃ楽しくないでしょ」

「喫茶店でも、違うテーブルに座って、電話で話すとか」

「いや、やっぱ、それじゃ楽しくないよ」

「そうですか?」

「うん。 夜、車だとこうやってゆっくり話せるし」

「はぁ」

「ね」

「じゃあ、映画はダメですね。残念・・」

 

 話は、Oさんの結婚話になりました。知り合いで30歳以上くらいのいい子いないかな、いたら紹介してほしい、と言われました。

「ガソリンスタンドに来るお客さんで、出会いとかないですか?」

「みんな結構若すぎるんだよね、俺43歳だし」

「男の人は、若い子がいいんじゃないですか?」

「歳の差を感じない人ならいいんだけどねぇ」

「じゃあ、みんなに、〇〇スタンドにイケメンの従業員さんがいる、って宣伝しておきます」

「えー、困るよ、俺イケメンじゃないし。見に来られてがっかりされても困る」

「そんなことないです、かっこいいです」

「いや」

「さわやかだし、優しそうだし」

 Oさんは、照れたのか、マフラーで少し顔を隠しました。かわいい。

「なんか、サッカー少年だったような、そんな感じがします」

「野球やってた」

「そうなんですか」

 野球好きな私としては、好感度大です。

「・・・・・」

「・・・・・」

 もっと何か話したかったのですが、胸がいっぱいいっぱいで、思いつかず、この辺にしようと思い、さようならをしました。

   

 Oさん、また会えるかな?

 あ、そういえば、毎日お弁当の配達で会えるんだ!

 でも今度からどんな顔して会えばいいかな?

 「配達では、素知らぬふりしてね」とOさんに言われています。

 配達中は、なかなか話す時間もないし。。

 

 あ、今度、誕生日と、好きな食べ物と、好きなプロ野球チーム聞いておこう。

 自分からこんなに人に積極的になったのは、初めてでコワイ。笑

 

 こんな風に青春時代を送れたら、また人生違っていたんだろうなぁ。。

 そんなことをしみじみ考えながら、夜の道を帰っていきました。

 

 

 言い訳かもしれませんが、私は訳あって、青春時代をほとんどまともな人間関係の構築ができずに、過ごしました。

 なので、人間を信頼する根っこみたいなものが、欠けていると思うのです。

 だから、今、とても人恋しくて、寂しいです。

 こうして、今からたくさんの出会いを作れたとしても、青春時代のぽっかり空いた穴は大きいです。

 いつかこの穴は、小さくなってくれるのでしょうか?

 こういう人生もあったりします。笑

 

 

 

 

 おしまい