(昨日の話の続きです)
「うぃーっす。。」玄関が開き、いささか元気なさげに、長男(中3)が帰って来た。
「あ、あんた!帰って来たの?」「うん、先生も来てくれたから」「えっ」
玄関の外には、担任の先生がいらっしゃるようだった。あわててドアを開け、入ってもらう。
先生が「玄関先で・・」とおっしゃるので、主人と二人、玄関で話を聞いた。
相手のお子さんは、大事には至らなかったこと。二人は部活動の前に、よくふざけあって遊んでいること、たまたま走り回っている相手の子に、長男のグーパンチがヒットしたこと、悪気があってやったわけではないが、相手方の親御さんには謝っておいてほしいとのこと、であった。それから、悪気があったわけではないことを、先生の方から相手方の親御さんには話しておいてくださるとのことだった。
御迷惑おかけしたこと、時間をとらせてしまったことを私たちは先生に平謝りに謝った。
しかし、相手の子が何とか大丈夫だったこと、長男がカッとなって故意に殴ったのではないことに、ただただほっとした。(安堵・ヘナヘナ・・)
さて、今度は長男との話だ。
長男からも話を聞く。長男は、自分がわざとやったのではなく、相手の子も元気だったことから、あまり意気消沈してはいなかった。でも、反省点はある。反省してもらわなければ、またこういうことが繰り返されるであろう。体の大きい長男。小さくて力の弱い相手の子。手加減も必要。手加減できないのなら、ふざけたり、ちょっかいを掛け合うのをやめること。グーパンチ禁止。そのあたりを強調した。
しかし、長男にも少し言い分はあった。相手の子が、パンチされてひとしきり泣きながら、長男にもかなり殴ったり蹴ったりしたこと。(長男はもちろん無抵抗)保健室に行こうとしたところ、痛みが治まってきて、その子が「これじゃ、保健室行けない」と残念そうに言ったこと。
「あいつ、ちょっとずるいとこもあるんだよね。俺がたくさん怒られるといいって。」・・しょうがない。その子も、相当痛かったんだろうから・・。
それから、部活でも、ふざけることもあるけれど、みんなと仲良くしようと努力していること。自分より弱い子たちに卓球を教えたり、相手をしてやっていること。
「俺と練習したい人いっぱいいて、予約入ってたりするんだよ。俺がんばってみんなの相手したり、みんなと練習してるよ」
・・わかってる。わかってるよ。普段お前がどれだけがんばってるか。話してくれてありがとう。
「諒太、あたしたちは家族だ。どんなことがあったって、お前の味方だよ。でも、今回は相手の子にも、先生方にも言い訳せず、謝るんだよ。ぐちは、家でたくさん言えばいい。でも、私たちは、ただただ、相手の具合を気遣って、頭下げて謝るんだよ。わかった?」
「諒太、今回のことは、自分の悪いところを直すチャンスだよ!ピンチはチャンスって誰か言ってたよ!一生かけても直す努力するんだよ!時々立ち止まって、自分大丈夫かな?って確認するんだよ!わかったね!」
「・・・わかったよ。・・母ちゃんはそう言ってくれると思ってた」
大袈裟かもしれないが、前々からいっているように、長男の人へのちょっかいをかける行為は、いささか癖である。いいオヤジになっても、直らないと、まずいことになる。セクハラ・パワハラ呼ばわりされては本人が不幸だ。直さなければならない。
本当は、長男は私たち親に、どれだけ怒られるか心配だったのだ。(特に父親に)
「諒太、私たちはお前の親なんだから、元気なうちは、何があっても、お前のためにいくらでも頭下げてやる。その背中を見てるんだよ。」
「ありがとう。もう、できるだけ、迷惑かけないよ」そうか、ありがとう。
その後、父親からも少し注意があったようだが、だいたいこのような話の展開で、長男も一時涙ぐんだりしたものの、元気になっていた。
「母ちゃん、すいませんけど腹減った・・手伝うから用意お願いします・・」
もうかれこれ9時近くになっていた。
相手方のお宅に謝りの電話をかけてみたが、出なかった。やはりご立腹なのだろう。メールで再三謝り、「S君の容体が悪いようでしたらご連絡いただければ幸いです」と伝えたら、
『大丈夫です、明日からまたよろしくお願いしますね~!』と少し態度を軟化してくださった返信が届き、ほっとした。それで、様子を見て、数日経っててから、お見舞いに行こうということになった。
でも、親同士がどうであれ、子供同士は憎み合っていたわけではなく、遊びの延長だったことにほっとしている。これからも、明るく、優しい諒太でいるんだよ。信じてるよ!
不謹慎だが、個人的には男の子、じゃれあってケンカしたり、スキンシップをとったり、怒られたり、いろいろあってもいいじゃない!と思っている。私が逆の立場だったら、「やり返してこい」くらい言いそうだ。
やり返して、でも、仲直りしてもっと仲良くなってほしい。
ひと昔前のマンガみたいだなー!笑
ケンカの仕方を知らない現代っ子には無理か・・ やっぱりケガはご法度だもんね・・!
・・・そして今日。
午後6時半 長男が帰って来た。
これから、先生方で話し合って、処分を決めるのこと。
これ、やっぱりただでは終わらないな・・
午後8時
・・・部活動の顧問の先生から連絡あり、しっかり反省しているようなので、これ以上のお咎めなし、ということになった。
アスペルガー障害で学校にお願いしている事情を、多少、いやだいぶ配慮してくださったのだろうか?と思う。
午後9時
相手方の親御さんに電話。許していただく。夜遅くまで不在のご家庭らしく、お見舞いは本当に大丈夫だから、、と言っていただいた。感謝です。
今後は、部活動のイベントの際にでも、差し入れをして、ご迷惑おかけしたこと、皆さんにお詫びしていこうと思う。
とりあえず、良かった。
親子で話し合いができたと思えば、その名の通り、怪我の功名だったと思う。