まだ心臓がドキドキしている中、Rは俺と目が合うと、恥ずかしそうに目を閉じた。
俺はRの首に腕を回して抱き寄せた。
しあわせだ・・
これからも、こうして俺と会ってくれるんだろうか?今なら会ってくれそうな予感がする。
しばらくRの顔を眺めていたが、疲れていたのか、すぐ眠ってしまったようだ。
明日の仕事は早い。
そっと起きて、シャワーを浴びることにした。
浴びながら、これからの彼女とのことを考えていた。俺は・・・一大決心をしようとしていた。
その時、「Tさん、Tさん?!」とふいにシャワー室のドアをノックされた。えっ、起きたの?とドアを開けると、Rが飛び込んで来た。タオルケットを体に巻いている。
「どうしたの?」俺はすっぽんぽんだ。今更ながら恥ずかしい。かまわず抱きついてくる彼女。
「いないから、もう行っちゃったのかと思って」シャワーは出しっぱなしである。タオルケットを取ると、Rは下着姿のままだった。おっと、目のやり場に困る。濡れちゃうよ?!と言いながら、一瞬ためらったが、かまわず抱きしめた。
Rは泣いているようだった。どうして?これが最後だから?
それとも、俺のこと・・
どう思っているのであれ、俺の気持ちにもうブレはなかった。
まず、子供さんとどうにかして会おう。
そう思っていた。
もう、俺はいい人じゃなくていい。
つづく