雨 ときどき晴れ☀

~鬱と発達障害とつきあう日々~

フィクション

ショートフィクション

4つ年下の男性とおつきあいして、4年が過ぎた。 いや、もう、会わなくなって、連絡も取らず、3か月経つのだから、もう終わった、のかもしれない。 つきあった当初、彼は穏やかで、にこにこしていて、話すと面白くて、一緒にいて楽しかった。 車の助手席で、…

勘違いモテ期

私の名前はユイカ。年齢はのりピーと同じ。2コ上の森高千里さんが「若い」「すてき」とか世間で言われているうちは、自分も少しは小ぎれいにしておこうかな、とお金もないし忙しくて実践はしないがちょっとだけ考えるこの頃。 ということで、女優さんでも…

ショートショート 2/2+ 答え合わせ

彼は、自分を良く見せようとしない人です。意外にこういう男の人は少ない。 よく周りを見ていて、状況を察知するのが早い。 落ち着いていて、仕事が早い。 物静かでもあり、時にはニコニコ冗談を繰り出す。彼の低く穏やかな山形弁を聞いていると、いつのま…

ショートショート2/2

仕事の合間に少しずつ会話を重ねて、多分お互い楽しくて、仲良くなりつつあった時、彼女が僕の本業の方の休みを聞いてきた。 僕が「月曜日」と言うと「じゃあ、午後にでも、ちょっとお茶でも飲まない?」と誘ってきた。えっ、と言うと、「Tさん面白いから、…

ショートショート1/2

僕は30代後半の独身、一つ年上のバツ1の兄と一緒のアパートに住んでいる。 普通の会社員として働くと同時に、毎日2時間ほど副業のアルバイトをしている。 本業の仕事は、繁忙期以外はほぼ残業がなく、副業をすることも許されている。 ちなみにアルバイトは…

人の想いは変化する

この内容はフィクションです。 コロナ禍も一時治まり、3年以上ぶりに、ママ友たちとお茶したいと思い立った。 対象は、発達障害の子育てを通じて知り合った、4人の友人。 それぞれの子供の年齢が近いこともあり、遊びの会などを経て、よく集まるようになっ…

ヒロタニ上司

はっきりしない淡い空気なのに、鈍い自分程度のアンテナでも感じる。否が応でも。 時々、気恥ずかしさのあまり 「なんでそんなことするのよ」と腹が立ちながら、身の置き所がなく、それでも自分からはなるべく距離をとっている。 社員の広谷さん。 入社した…

ただの女

一昨日の大雨で、通常25日からの新聞の集金業務が遅れがちになっていた。 しかも明日30日が締め切り日となっている。 たった50件の担当であるが、朝の新聞配達を終え、昼の配達を終え、買い物したり休息を取りたいところを1日で終わらせるのは、ちょ…

雨物語

昨日見たような気もするし、ずっと前に見た夢のような気もする。 私は男友達の家にいた。前からの約束で、遅い朝食を一緒に作って食べようとしていた。でも、それは名目だった。私もこれから起こるかもしれないことを覚悟の上だった。 彼は、パスタを作って…