人生は見えない嵐の中だった。
必死で足をふんばり、皆と同じように笑おうとする。
はい上がっても、はい上がっても、奈落の底に突き落とされる。
だけど何も、感じないようにしてきた。
背負ってるものを聞かれた時、初めて、自分の気持ちに気づいたんだ。
こんなにも、泣くなんて、寂しがるなんて、他人事のよう。
優しさに溺れそう。慣れていないから。
強風に耐え忍んでも、自分の足につまづいてこけることもある。
あたたかい陽だまりの中、溶けてしまいそうになる。
それでもあなたは言うんだろう。
「君はそれでいいんだよ」と。
そして
「人生を終わらせられそうになったら、僕のところにおいで」
と静かに笑うんだろう。