・・今日、午後空いてるでしょ?
と友達からラインが届いた。
GW空いてる?と聞かれて、「空いてる日、ない」と返したのは、数日前のこと。
ーー空いてない。主人が風邪引いてるから、看病してる。
・・そんなに世話焼いてるわけじゃないでしょ?気晴らしに出て来なよ。
ーー駄目。GWで、どこも人が多いから。
・・人が多いとダメなの?
ーー知ってる人に会う確率高いでしょ。
・・そんなコソコソしなくていいんじゃない?
・・じゃあ、人のいないとこでも行く?
・・ホテルとか 笑
!私は既読スルーした。
・・ちょっと、引くなよ。冗談だってば。
ーー冗談でもやだ、言わないで。
・・もう、わかったよ。
それから、なんとなく彼とは距離をおこうかなと、思っていたが、今日の突然の誘い。
・・植物園でも行かない?今サクラ咲いてるよ。
ーー行かない。
・・じゃあ、その手前の展望台なら?人いないよ。
・・仕事終わったら来なよ。待ってるよー。
そこで終わった。無視しても良かったのだろうが、気になって、夕方、車で行ってみた。まさか、もう、帰ってるよね・・。
と、彼の車があった。中で寝ていたようだ。車を停め、メールしてみる。起きなかったら、このまま帰ろう。
それにしても、綺麗な景色だ。山も、眼下の街も。
彼が、車から出て来た。
ねぼけていたので、「上の自販でコーヒーでも買って来ようか?」と言うと、「いい、要らない」と言って、しばらくぼーっと景色を見ていた。
「あのさ、私あまり時間ないんだ、帰らないと」
「あ、じゃこれやるよ、食べなよ」
彼は、車の中から、小さな包みを出して、私にくれた。
何これ? ニヤニヤしている。 開けてみると、おにぎりが2つと、小さなペットボトルのお茶が入っていた。
「俺が作ったのだけど、よかったら」えぇぇーっ!☆
「俺も食べるから、毒見に」 聞けば、お昼用に作って来たのらしい。今まで食べずにいたんだ、もしかして、来て良かったのかな?と思いながら、一緒に食べた。
「これ、高菜のおにぎり?・・おいしい!」
「母親が漬けた青菜だよ。冷凍庫から盗んできた」あははー。つい笑ってしまった。
「これは、梅干し?私大好き。」
本当に、おいしかった。外で食べるおにぎりは、格別だった。というか、人に作ってもらったものなんて・・うれしい。(家の男たちは、全然作ってくれないので・・)
「ありがとう、少し早い母の日だよ~、感激」
「アホか 笑」
それから、バタバタと、彼にお礼を言いつつ、お互い帰路についた。だいぶ風が強くなっていた。
ちょっと、予想外のサプライズに感動した私でした。 やばい。